2010年度 理事長所信
所 信
社団法人一宮青年会議所
2010年度理事長 土川 正夫
はじめに
私たち青年会議所の現役世代は、歴史上にも例を見ないほどの平和で満ち足りた時代とともにこれまでの人生を過ごさせていただくことが出来ました。このように素晴らしい時代の中で大人へと成長させて頂けた私たちの世代はこの平和な時代が1日でも長く続くよう、またこんな時間を世界中の全ての人たちと共有することが出来るよう、出来る限りの努力をしていかなければいけない世代であると確信しています。
その為に、私たちはこの先人たちが築いた平和な時代と共に、素晴らしい歴史と伝統を受け継いだことに心から感謝して今の時代を生きなければいけないはずです。しかし、現在の日本の状況を見てみると、バブル経済の破綻で教訓を得たにもかかわらず、自己中心的な考え方が蔓延し、各種メディアから発信される情報や著名な方からの発言にも「少し謙虚さが足りないではないのか」と思えることがしばしばあります。私はこの様な流れがエスカレートしていくことが過去、利己主義の蔓延がきっかけで衰退した国家をいくつも想像させ、私たちの子供や子孫の世代まで、この平和で素晴らしい時代を残せていけるのかということに、非常に不安を感じています。
私たち2010年度社団法人一宮青年会議所では、こころの面からこの素晴らしい時代を守り更に発展させるために、まずこの地域(まち)に住む1人でも多くの方と共に、「他者を思いやる、やさしい心」を育てるために活動してまいります。
「他者を思いやる、やさしい心」を育てるために
人間は相手と接する時、その人の欠点に目がいってしまうものです。人と話をする時など、つい人の短所ばかりが目につきます。私も社会人になったばかりの頃は夜上司の悪口を話してお酒を飲むことが多かった記憶があります。しかしながらそういった短所の指摘で人に良い影響を及ぼしたことは非常に少なかったような気がします。逆に思いもかけず人に長所を誉められたときなど、人から良い影響を受けたことが何度もありました。こうしたことは誰にも子供のころに経験があると思いますが、大人になってからも変わらないものであることに青年会議所活動を通して私は気付くことが出来ました。人間は他人の長所を見つけるために、まずは自分の心を謙虚にして、こころやさしく相手に接することが必要であると感じています。
また現代は平和で快適な世の中になったのと引き換えに、人の心は弱くなってしまったのではないかとよく言われます。交通事故死より多い自殺者数、普通では理解できない凶悪犯罪、また一時よく使われた「切れる」という言葉は他者よりも自己中心的な現代人のこころの弱さを表す言葉ではないでしょうか。どんな時代でも生きていくということはつらさを伴うものです。そんなつらさに対する心の耐性をつけるためには自分のこと以上に「他者を思いやる、やさしい心」が必要だと感じます。
こころで輝く地域(まち)を目指して
私たちが住む一宮市は繊維産業を中心に発展し、現在はこの地域のどこの都市と比較しても類を見ないほど交通の便が良い街として38万人の人口を超える都市に発展してまいりました。しかしその中でロケーション以外に一宮市に都市としての素晴らしい魅力があるという点をどれ程この地域に関わる方はご存知でしょうか?交通の便は道路や鉄道状況の変化で変動するものです。施設も都市自体に活気が無くなればいずれは老朽化していくことが考えられます。私はこの一宮市が将来多くの人にロケーションではなく、街の魅力で選んで頂けるような地域になってもらいたいと、心から願っています。そのためのベースとなるものはやはりこの街で暮らす人の心が一番大事では無いかと考えます。「困っている人に手を差し伸べる優しい心」「自分たちの住む街を汚さない心」「一宮で育つ子供たちの健全な成長を地域全体で見守る心」など公共心に厚く民度の高い市民が一宮市に一名でも多く増えていけば、ますます素晴らしい地域となっていくと考えます。そういったすぐには誰も真似が出来ない活動が一宮青年会議所の担うべき「明るい豊かな地域(まち)づくり」であると考えています。
自らを高め企業経営にフィードバックを
最近100年に一度の経済不況という言葉が遣われ、企業を取り巻く経済環境に関して悲観論が蔓延しています。確かに、悲観的な要素を並べていくと、なにかこれから先、私たちにとって企業環境が良い時代というものはやってこないのではないかという気がしてきます。しかし、私たちは安全や食料の問題で「生命に危険を感じる」危機に遭遇したわけではありません。戦後の復興はまさにそういった環境からの先人のたゆまぬ努力による飛躍です。確かに多くの中小企業では産業の成熟化やデフレ経済の進行などにより過去のビジネスモデルでは大きな収益を上げるのが困難になってきてはいます。しかしこの様な環境の中でも素晴らしい成功を収めている企業も多くあり、過去と比較して恵まれた環境の現在であればこの危機は必ず乗り越えられるものであると確信しています。また私たちは企業経営者としての自分を高める機会を青年会議所活動で頂いています。その私たちが経営する企業も個人が信頼を得るのと同様、お客様のみならず、従業員も安心して働けること、取引業者からも信頼されること、地域社会からも認められることなど、周りの全てに良い影響を与える企業に成長することが長期に亘って繁栄できる企業だと考えます。そんな良い循環を青年会議所活動に送り出していただいた私たちの企業にフィードバックできるよう自らを高めていきましょう。
60周年を安心して迎えられる組織を目指して
2011年、私たち社団法人一宮青年会議所は設立60周年を迎えます。これだけの間長期に亘って私たちがこの一宮市でJC運動を展開できたことは、毎年新しい組織の中で様々な役割を担われた全ての諸先輩方の努力の結晶であると感じております。しかし近年メンバー数の減少をはじめ、私たちが変化しなければならない様々な課題を抱えているのもまた事実です。私たちは2009年度多くの新しい仲間を迎え入れることができたことにまずは感謝し、2010年度私たち社団法人一宮青年会議所はこの組織の活性化を更に確かなものにするべく、目指すべき公益社団法人格取得に向けた対応、日本青年会議所が展開する事業活動の積極的な活用、交流事業のあり方の検討など、ここで青年会議所の活動を一度見直し再構築することで、60周年を安心して迎えられる「中興」の年と位置付けます。また、私たちは青年会議所活動を通し「明るい豊かな地域(まち)づくり」という志のもと、自分の視野を広げることや、沢山の友人に出会えたことに多くの会員が感謝しています。本年も地域の将来を担う私たちの青年会議所世代を新入会員として迎える拡大事業を「他者を思いやる、やさしい心」を一人でも多くの方に伝えることができる最大の公益事業と捉え、社団法人一宮青年会議所にとって2000年代に入り最大の会員数となることを目標にして邁進してまいります。
最後に
私は青年会議所の会員はよきJCマンであるとともに、よき企業人であり、よき家庭人であり、よき社会人であることを、JC活動を通して身につけなければならないと考えています。
またJC運動を通して2010年度は「他者を思いやる、やさしい心」を地域のみなさまに届けていくことが、私たちに出来る一番身近な世界平和の道であると考えます。
二宮尊徳の言葉にこんな言葉があります。
「私の願いは人々の心の田の荒廃を開拓して、天から授かった善の種を育ててまたまき広めることにある。心の荒廃を一人が拓けば、土地の荒廃が何万町歩あろうとも恐れるものではない。」
2010年の私たちの活動は小さな一歩かもしれませんが善の種を育ててまき広めることで必ず世界平和に繋がる道であると信じて自信を持って活動させていただきます。
どうか皆様方のご支援、ご協力をよろしくお願いします。