「一宮青年会議所」は“明るい豊かな社会”の実現を理想とし責任感をもった40歳までの青年の団体です。

2018年 理事長所信

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公益社団法人一宮青年会議所

2018 年度 理事長候補者

森 大 介

 

はじめに

1951 年、一宮青年会議所は、戦後の復興は若者の責務であるとして熱い情熱をもった青年経済人がその力を結集せんとして産声をあげました。そして、先人たちは2018 年の今に至るまで様々な時代を越え、その時々の課題に果敢に挑戦し、また、その時々から始まる未来に想いを巡らせてきました。先人たちが力強く駆け抜けた戦後の混乱期や復興期、高度成長期やその後の安定的な成長期、バブル期やその後の崩壊期と時代は移り変わり、「失われた20 年」と言われた時代もすでに「失われた30 年」に突入しようとしている今、私たちは、何を課題と捉え、どのように解決し、どのような未来を描かなければならないのか。その答えはこの「失われた30 年」の間に失われてしまったものの中にあるのではないでしょうか。

バブル崩壊後の日本は経済停滞期とも言われる時代に突入し、日本全体として余裕がなくなり、古き良き日本的経営慣行は排斥され、リストラや人件費削減などからデフレが始まります。そして、経済圏は地域から東京一極集中に加速し、それに呼応する形で家族形態は核家族化が進んでいきました。国内需給を見込めない企業は国内から海外に目を向けグローバル化を推進していきました。インターネットバブルに沸いたIT 化の波は、人と人とのつながりを電子化していきました。

平成という一つの時代が終わりを迎えようとしている今、私たちはこれらの変化の中で失われたものを取り戻さなければなりません。

失われたものを取り戻すためには社会を大きな変革へと導かなければなりません。しかしながら、大きな変革をもたらすのは、一朝一夕にできるものでもありませんし、たったひとりの人間の力でできるものでもありません。社会というものが、自分を含む「個」の集合体であるのであれば、社会を変えるには、まずは自分が変わること、そして、自分自身が成長し、最も身近な家族や共に活動する仲間、そして、まだ見ぬ仲間を巻き込み、共に成長していくことが必要です。だからこそ、私たちは青年会議所の活動の中で修練を積み、共に活動する仲間との友情を深め、社会への奉仕の力を拡大していくのです。

2018 年、私たち公益社団法人一宮青年会議所は、会員一人ひとりがこの地域(まち)の課題に向き合う中で得られる自己変革による自らの成長が、まずは自分の家庭を、そして所属する会社を、住み暮らすこの地域(まち)を明るい豊かなものに変えていくと信じて活動に邁進してまいります。

 

「一宮ブランド」が 「一宮ブランド」が 地域(まち)を愛する 種となを愛する
私たちが住み暮らすこの一宮市は38万人を超える人口を擁する尾張西部の中核都市です。公共交通機関を利用すれば一宮駅から名古屋駅まで約10分、名古屋市中心部・東京や大阪・北信越へのアクセスも高速道路網の発展により非常に利便性の高い地域と言えます。また、尾張の国の「一の宮」である真清田神社を市の名称の由来とし、その発展を支えた繊維産業は後継者不足や外国産の安価な製品の台頭により停滞しながらもその技術力はいまだ健在であり、多くのアパレルブランドに「尾州」ブランドとして認められています。いわば古くからある老舗のような私たちの一宮市は、近年、名駅エリアへのアクセスの良さに注目を受け、ベッドタウンとしての評価が高くなっています。そのような時代の移り変わりの中で、一宮市民の中には、一宮市に強い愛着や誇りを失ってしまった市民も多くなっているのではないでしょうか。そのような課題に対し、私たち一宮青年会議所も近年、地域資源を活用した地域(まち)のブランドを市民が愛し誇りに思う一宮ブランドへと昇華させるべく、一宮市の内外から認められるよう様々な活動を展開してまいりました。とりわけ2017年度には、この地域(まち)のブランドを一宮ブランドとして市民のこころに根付かせる活動として、この地域(まち)を想い活動している人びとと協働し、大きな発信力を得て地域(まち)のブランドを一宮ブランドとして一宮市内外に伝播してまいりました。2018年度は、市民に愛着と誇りを持ってもらいたいとして始まった一宮ブランドの活動をより組織的に展開し、一宮ブランドの発展に繋げてまいります。そのためには、私たち一宮青年会議所メンバー一人ひとりが一宮ブランドを愛し、身近な存在である家族や自らの住む狭域的な地域や組織に発信を行うことが必要です。発信を行うにしても、ただ単純に発信をするのではなく、受け取る側に受け入れられるようにする象徴のようなものを考案するなど私たち一宮青年会議所ならではの工夫を凝らした上で、行政や市民団体との連携をより緊密なものにし、効率的に発信を行う必要があります。そうした身近なところへの地道な発信が小さなブームとなり、その小さなブームが連携を始めるとその発信力は加速度的に大きくなり、その先にブランド化があるはずなのです。地域(まち)のブランドのひとつである「元祖一宮めしどてカラ丼」、そして、日本三大七夕祭りにあげられる一宮市の誇りである「おりもの感謝祭一宮七夕まつり」に続けとばかりに展開を続ける地域(まち)ブランド「138ハロウィン」を、市民の誇りや愛着につなげられるよう、行政や市民団体の架け橋となりながら、より確固たるブランドである「一宮ブランド」に昇華する原動力となってまいります。

 

未来を愛する種は親と子と共に

私たちが「明るい豊かな社会」を目指し、活動を続けるのは誰のためでしょうか。私たちが私たちの地域(まち)をより住みよい地域(まち)にしたいと思い、活動を続けるのは誰のためでしょうか。私たちは、この変わりゆく激動の時代を生き抜く「地域(まち)の宝」である子供たちのために活動をしていることは言うまでもありません。しかしながら、悲しいかな私たちが続ける地域(まち)づくりの活動だけでは、子供たちがこの激動の時代を生き抜く保障とはなりえません。子供たちがこの激動の時代を生き抜くためには、子供たち自身に、自らを成長させる能力を、次々と能動的に行動できるよう自身にモチベーションを湧き起こさせる能力を、夢を実現させるために目的意識をもって行動できる能力を、そして、そのような中でも「他を慮る道徳心」を身に付けてもらわなければなりません。教育は国家百年の計と言われるように一朝一夕で成せるものではありません。言いかえれば、この教育が課題となっている現状も昨今に始まった課題ではなく、長い時間をかけてじわじわと気づかない間に顕在化してきたものです。高度成長期から始まった経済圏の東京一極集中は家族形態を核家族化し、こうした社会構造の変化は、子育ての環境も変化させました。昔は、悪いことをすれば叱ってくれる雷親父がいたり、優しくいさめてくれる近所のおばあちゃんがいたり、地域が子育てを補い合うことができていました。そのような環境が自然と子供を導き、親に子育てを学ばせていたのだと思います。核家族化が進み、地域の中での交流が減っている現状においての課題は、地域が担ってきた教育を家庭で行う比重が増えたことと同時に親が子育てを学ぶ機会が失われていったことにあると考えます。失われた30年の間に、親になっていった私たちの世代は、今まさに子育て世代となりました。私たちは、地域による教育が失われてしまった代わりに親が親になるための学びを取り戻さなければなりません。2017年度は、子供たちの「生きる力」が未来の「今」を創るとして、「一宮キッズタウンプロジェクト」の事業を展開し、子供たちが能動的に目的意識をもって行動し活動する場を提供することができました。2018年度は、親が子育てを学ぶ機会を創出しつつ、この「一宮キッズタウンプロジェクト」をより効果的に展開してまいります。親も学び、子供たちも「生きる力」を身に付ける。そのような共育活動を推し進めてまいります。

 

ひとを愛するつながりの種

私たちは、このように地域(まち)を想い、未来を想い、活動を展開し続けていますが、その原動力は会員一人ひとりであり、その効果の大きさは会員の数によって変わってきます。どれだけ地域(まち)へのインパクトの大きい事業を行っても、50人が行うことと100人が行うこととでは、効果は歴然と異なってきます。また、同様に、どのような事業を行っても地域(まち)の人たちに伝わらなければ、残念ながら、やっていないことと変わりません。地域(まち)へのインパクトを極大化するには、拡大活動と広報活動において相乗効果をもたらしながら展開する必要があります。広報活動において重要な要素は頻度と継続です。そして、その情報を受け取る側がどのように受け取るのかということに配慮した発信が求められます。そのように発信を続ける先には、私たちの活動に賛同し共に活動してくれるまだ見ぬ仲間がいるはずです。そのようなまだ見ぬ仲間にむけての広報活動としても、私たちのことをまだ知らない地域(まち)の人びとにむけての広報活動としても、私たち一宮青年会議所が65年を超える長きにわたって行ってきた活動を改めて発信し、一宮青年会議所がどのような団体であるのかというところから知っていただく必要があります。2017年度は12名の会員が卒業を迎えました。2018年度と2019年度の合計でおよそ20名の会員が卒業を迎えます。この3か年で30名以上の会員が卒業を迎えることとなるのです。この3か年で全会員の半数に近い会員が卒業を迎える状況を目前に、拡大活動は喫緊の課題であります。しかしながら、拡大活動において慌てて拙速な手法をとることは逆効果となります。私たちは、私たちの活動をしっかりと行い、その活動を知ってもらう中で活動に賛同する仲間を拡大してまいります。つまり、拡大の第一歩は私たちが活動しているひとつひとつの活動そのものをしっかりと行うことにほかなりません。そのうえで、一宮青年会議所としての拡大方程式を確立し、会員一人ひとりのマンパワーを効果的に活用できる仕組みを構築し、会員数100名を目指し拡大活動を展開してまいります。

「ひとはひとによってのみ磨かれる」という言葉の通り、私たちはひとと出会い、自分自身を見つめ直すことで自省します。また、人間力あふれるひととの出会いにより生まれる憧れは、自身を成長させる糧となります。ひととのつながりが電子化されている現状において、成長の糧とできるような本当の出会いができているのでしょうか。ひとと出会い、それを成長の糧とするには、そのひとと交流を持ち、信頼しあう関係性を築く必要があります。2018年度は、この地域(まち)で活躍する人間力あふれるリーダーたちと交流する中で切磋琢磨し、そのひとの魅力に共振しながら成長できる、そのようなひととひととのつながりの場を創造することで、この地域(まち)の人びとが、そして私たち自身も成長し、人間力あふれる人財となれるような活動を展開してまいります。

 

強い組織がひと・地域(まち)・未来を愛する種を創る

社会が「個」の集合体であることと同じように、組織もまた「個」の集合体です。組織の成長のためには、その組織に所属する個々人の成長が絶対的に必要不可欠です。私たち自身の成長は、自己の成長のみならず、私たちの組織の成長にもつながっていきます。しかし、自己成長を私たちの組織の成長につなげるためには、ひとりよがりになるのではなく、私たち会員同士の深い交流が必要です。私たちの組織が強く結束すれば、地域(まち)への影響力も強くなります。また、私たちの新しい仲間たちが青年会議所活動家として強く歩みだすためにはしっかりと目的意識をもって活動していただけるよう促す必要があります。2018年度、私たちは、組織の一体感を強くするため、また、地域(まち)への影響力を強くするためにも、事業のなかでの協働を積極的に取り入れるなど、組織図のような縦のつながりにとらわれない横のつながりを作り、会員同士が愉しみながら深く交流する事業を展開します。また、入会間もない会員に向けた青年会議所活動の意義や目的意識を持つ必要性をしっかりと理解できるような研修を行ってまいります。

そして、私たちは公益社団法人格となって4年目を迎えます。公益社団法人に対する監査を受け、組織としての力を高めるためにもより盤石な会議運営を行えるよう定款・諸規定の見直しが必要となってまいります。組織として自省するためにも、他の組織との交流が必要となります。出向は他のLOMの制度や活動を知る好機です。出向者の出向先での学びをLOMに活かすことこそが、出向者の大きな担いに対するLOMからの最大の支援であるとして、出向者を支援してまいります。

 

おわりに

-自らを厳しく律し、生きる力を共育するひとへ-

-伝統と文化を誇りに、思いやりあふれる(まち)へ-

-全てのつながりに感謝し、夢と希望に満ちた未来へ-

私たちは、創始より受け継がれし志を胸に

強い絆と信頼で結ばれた情熱をもって

 

ひと・まち・未来を愛するこころをつむぎあい

“こころ織りなす郷土(ふるさと)”の創造を目指し行動する。

これは、公益社団法人一宮青年会議所2010年代運動指針です。2020年にどのような社会になっていたらよいかを考え練り上げられた運動指針に基づく活動も佳境となり、いよいよ集大成を迎える時期となりました。果たして先人たちが思い描いた未来にどれだけ近づけているのでしょうか。

私たちの活動は「種」を創るようなことだと思います。私たちは、この地域(まち)を想い、この地域(まち)に住まうひとや子供たちを想い、仲間を想い、こんな未来になったらいいなという希望を「種」に描き、蒔いていきます。この様々な「種」は、芽吹き、枝葉を伸ばし様々な樹形を描き、育っていきます。この樹木に「私たちの想い」という栄養を与え続け、森を創ってまいります。先人たちも夢見た「私たちの地域(まち)、明るい豊かな一宮」という森を。

お気軽にお問い合わせください。 TEL 0586-24-1120 受付時間 10:00 - 16:00 (木・土・日・祝日除く)

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