「一宮青年会議所」は“明るい豊かな社会”の実現を理想とし責任感をもった40歳までの青年の団体です。

2019年 理事長所信

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公益社団法人一宮青年会議所

2019 年度理事長

眞野  尚人

 はじめに

1945 年 7 月 28 日、2 回目の大規模空襲となったこの日、一宮市上空に侵入した B-29 大型爆撃機約 260 機による焼夷弾の波状攻撃により、市内の 83%の建物が焼失し、700 名を超える死者を出し、このまちは焼け野原となりました。それから僅か 6 年後の 1951 年、「新日本の再建は青年の責務である」という志を持ったこのまちの青年たちによって築き上げられた全国で 8 番目の青年会議所として、一宮青年会議所は設立されました。
青年会議所設立時の戦後の混迷期に比べ物質的にも経済的にも遥かに豊かになった現代に おいて、この社会を覆い尽くす漠然とした不安感は一体何でしょうか。少子高齢化、将来の人口減少など確かに多くの課題を抱えてはいますが、新しい発想と技術を駆使し社会構造を改善することで必ず解決できるはずです。昭和から平成へそして新たな時代へと移りゆく中で、私たちは青年 会議所設立の原点である時代背景と創始の志を忘れることなく次の世代へと語り継ぎ、新しい時代に相応しい「明るい豊かな社会」の形を創造し、未来に向かって力強く運動を展開していかなければなりません。

 

 未来を担う人材育成

日本の出生数は 2016 年から続けて 100 万人を割り込んでいます。兄弟の数も減り、家庭において親が一人の子供に費やす時間や教育費も年々増加しており、今の子供たちは非常に恵まれた環境の中で育っています。隣の中国では年間 1,700 万人を超える新生児が生まれ、大学入試、就職活動は想像を絶する競争が繰り広げられ、若者は活路を求め国外へ飛び出していきます。
これからを生きる子供たちは、今まで以上に世界を意識して強く生きていかなければなりませ ん。世界を意識するためには、日本とは、自分とは何者かを知る必要があります。私たちは昨今忘れ去られたように感じる、日本人が昔から美徳として備えていた「正直さ」「礼儀正しさ」といった日本人の「こころ」を持った強い子供たちを育成してまいります。子供たちは受動的な姿勢ではなく、自ら視野を広げ何事にも積極的に挑戦することで、失敗から学び、小さな成功体験を積み重ねながら成長していきます。その子供たちを導く私たちまちの大人は、時に厳しく、時に優しく子供たちに本気で接することで「生きる力」を共育し、「思いやりのこころ」を持った人材を育成してまいりま す。

 

 まちを愛するこころの創造

青年会議所に参加するまでは、自分や家族、仕事のことしか考えていませんでした。この活動を通じて初めて自分が関わっているまちの未来を意識するようになりました。まちとはそこに住む人びとの意識の集合体です。より良いまちになるためには、市民がまちに関心を持ち、一人でも多くの市民を巻き込んだ意識変革運動を展開していく必要があります。
日本全国に存在する「一宮」は神社の社格を示す格式の一つで平安時代から鎌倉時代にかけて成立したと言われています。現在の一宮市は平成 17 年の尾西市・木曽川町の編入に至る現在までに多様な価値観を取り込みながら形成されてまいりました。「いちのみや」という名称自体も確立された個性ですが、「日本を代表する毛織物産業」、「一宮七夕まつり」といった一宮市を連想させる地域ブランドもこのまちの先人たちが創り上げてきた個性と言えます。
新しい「まちブランドの確立」を目指し私たちが 2015 年から継続的に取り組んでいる「138 ハロウィン」といった大規模な事業は、一度に沢山の市民を巻き込むことを目的とした手法としては大変有効ですが、最近では SNS を通じて一枚の魅力ある写真があっという間に全国へ、世界へと伝播していく時代になりました。このまちには、食、文化、人、建物など、ここにしか無いまだ世に広く知られてはいない個性が沢山眠っています。それを発見し、今の時代に合った新しい発信方法を組み合わせることで時間や場所を問わず多くの人びとの共感を得ることができるのです。
私たち青年の新しい発想と行動により、市民がより良いまちにしたいという「まちを愛するこころ」を持ち、より多くの市民を巻き込むことで一宮市の新しい未来を切り開いてまいります。

 

 活気あるLOM の創造

JC で設立以来、唯一途絶えること無く継続してきた事業が会員拡大です。拡大活動とは JC を知らない人にその魅力を伝え、意識を変えて同志になってもらうことです。拡大活動こそが JC 運動そのものです、私たちが影響力を持ちより大きな運動展開をするために一人でも多くの会員が必要 です。創立 70 周年に向け 100 名LOM となるよう 3 ケ年計画を策定し会員の意識を向上し拡大活動を展開してまいります。
青年会議所は人生最後の学び舎と言われるように、自己成長を掴み取る場です。積極的に自分の意見を人にぶつけ、違う価値観に触れることで成長へとつながっていきます。入会した会員は40 歳の卒業までに様々な役職を体験することで豊富な実践経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動に展開していきます。私たちは、新入会員に青年会議所活動の意義を伝え、一宮青年会議所の歴史や伝統を継承し、「ナンバー8」の自覚と責任を伝えていかなければなりません。私たちは会員同士だけでなく家族間や姉妹 JC である大邱江北青年会議所との国際交流など様々な交流の機会を持っています。様々な価値観を持つ仲間との楽しい交流事業を通じて、メンバー同士が強い絆で結ばれた活気あるLOM の創造を目指してまいります。

 

 魅力ある組織づくり

私たちは 2015 年に公益社団法人格となり、事業予算の配分や組織体系、公益従事者比率を大きく変えて組織の足元を固めてまいりました。私たちは限られた予算を効率的に利用し、定款・諸規定を適時見直し、コンプライアンスの徹底された社会的信用のある組織として活動する魅力ある組織運営をしなければなりません。
しかしながら、内面的に大きな変革を行い、多くの予算を投じた公益性の高い事業を展開して  も、その活動が市民に伝わらなければ何の意味もありません。SNS での発信やマスコミ・行政などと共働して、まちブランドとして確立した「どてカラ丼」や、私たちの日々の活動をこの地域の人びとに迅速に発信し、私たちの想いを伝播してまいります。また、事業や例会だけではなく私たち自身も一宮青年会議所を象徴する存在です。まちのブランドと協働し他の LOM には無い特色を確立し私たち自身が発信元となることで一宮 JAYCEE の存在感を高めてまいります。

 

 個の挑戦によるLOM の成長

成長とは新しいことに挑戦し様々な体験や学びの場を通して今まで見えなかったものが見えるようになり、感じることができなかったことを感じられるようになることです。
日本全国そして世界中にネットワークを持つ青年会議所には、同じ志を持って活動する仲間が何万人もいます。日本青年会議所・東海地区協議会・愛知ブロック協議会への出向や、各種大会への参加やセミナーの受講は、LOM の枠に囚われない新しい視点から物事を捉える事ができる貴重な機会であり、自分自身や一宮青年会議所の新たな成長につながります。出向することで感じる LOM メンバーの友情、各種大会へ参加して見える出向者の勇姿、仲間との絆が一層強まることで一枚岩のように結束した組織となるよう積極的な支援を展開してまいります。

 

 結びに

1 年先を考えるなら稲を育てよう

10 年先を考えるなら木を育てよう

100 年先を考えるなら人を育てよう

かつてこの国には 10 代 20 代の若さで、日本の未来のために志高く散っていった青年たちがいました。私たちは、彼らが守ってくれたこのまちで平和な今を生きています。あと 25 年もすれば戦後 100 年を迎えます。私たちが今育てている自分の子供やまちの子供たちは彼らがこの国の未来を託した 100 年後の希望です。未来を生きる子供たちに、「この国を思うこころ」を伝えていくことが我々世代の責任です。この国には先人たちがつないできた世界で最も古い歴史があります。いつの時代も次代を動かしたのは青年の新しい発想と大胆な行動力でした。新しい時代へと変わる今だからこそ、私たちは幾多の困難を乗り越えてきた日本人の歴史と誇りを忘れず、明るい豊かな未来を信じて前に進んでまいります。

青年の溢れる英知と 一歩踏み出す勇気と 湧きあがる情熱をもって

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