「一宮青年会議所」は“明るい豊かな社会”の実現を理想とし責任感をもった40歳までの青年の団体です。

2020年 理事長所信

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所信

公益社団法人一宮青年会議所
2020 年度理事長
西岡 信幸

はじめに

変えるべきことについて、それを変える勇気を我に与えたまえ。
変えてはならないものを受け入れる、こころの冷静さを我に与えたまえ
そして変えるべきものと、変えてはならないものとを見分ける英知を我に与えたまえ。

これは「ラインハルト・ニーバーの祈り」の一文です。

時に私たちは変えられるはずのものを疑わず受け入れ、変えられないものを認められずに葛藤してしまいます。こころの奥底では変えるべきものだと分かっているのに勇気がもてずその言い訳として変えられない・・と信じ込んでしまおうとしてしまいます。

これまで先人の方々のたゆまぬ努力と情熱によって築きあげてくださった無くしてはいけないもの、変えてはいけないものは確かにあります、それでも我々青年は英知と勇気と情熱を持ってこの新しい時代を迎える「今」、変えるべきものと守るべきものをしっかりと見極め、勇気を持ってその一歩を踏み出さねばならないのです。

1951年、第二次世界大戦により焼け野原となったこの地域を「新日本の再建は青年の責務である」という志を持ったこのまちの青年たちによって築き上げられた全国で8番目の青年会議所として、一宮青年会議所は設立されました。そして昭和から平成へと68年の長きに渡り先輩方のたゆまぬ努力と情熱のもと、この地域で「明るい豊かな社会」を実現するために活動して参りました。

私たちは「令和」という新時代にどのような未来を描いているでしょうか。一人ひとりの日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたいと、そうした願いが込められ、「令和」という時代は幕をあけました。私たちの住むこの国は超成熟社会を迎え小子高齢化による人口減少、経済規模の縮小、人々の幸福度は低く子供が夢を持ちにくい社会になっています。このように多くの不安材料が山積しており、かつてのような世界から先進国と言われなくなる日が近い将来もしかしたら訪れるかもしれません。これらの課題を一気に解決する策はおそらくないでしょうが、私たち青年経済人は「明るい豊かな社会」を実現するためにその課題に

目を背けずに正面から向き合い、青年らしい創造的な運動を展開していかなければなりません。愚直に一歩一歩でも前に進むしかありません。いつの時代も青年が社会を変えてきました、「令和」という新たな時代へと移りゆく中で、私たちは青年会議所設立の原点である時代背景と創始の志を忘れることなく次の世代へと語り継ぎ、持続可能なより良き社会へと変革していくために私たちは前に進みます。

機会の提供からひとづくり、そしてまちづくりへ

まちを創るのはひとであるとよく言われます。私たちはひとづくりこそ未来のまちづくりに直結すると考えます。明るく豊かな社会にしたい、活力溢れるまちにしたいと願うのであれば、当然そう願い、行動し実現できるひとたちで溢れるまちにしなければなりません。自らが描いた夢を叶えることができる人財を育成し、社会に良い影響を与える人財で溢れたとき、このまちは明るい豊かな活気に溢れたまちになるはずです。

物質的な豊かさが得られた一方で「個人主義・合理主義」と言われる個別の幸福を求めすぎる昨今、感謝のこころや利他の精神が欠乏したひとばかりの世の中では明るい豊かな社会、活気溢れるまちは創造できません。私たち日本人が古来より持ち合わせている相手を思いやり、互いに助け合える日本人のこころの醸成が物質的な豊かさから精神的な豊かさにつながりそれが明るい豊かな社会、活気溢れるまちにつながるのではないでしょうか。

このまちで生まれた子供たちはまちの宝です。子供たちをはじめとする若年層の教育についても私たちは考えていかねばなりません。成長の過程には必ず大人との出会いがあり、我々大人が与える影響は無視できません。そこで育った人財とは地域を映す鏡であり、我々は子育て世代としてまちの若き人財を育成していく責任があります。まちの未来についての設計図を描くにはまちの将来を支える若年層への教育が重要です。青年会議所には若年層への長年培われた次世代教育に関するノウハウ・コンテンツが多く存在します。我々はそれらを学び活用することで次世代を見据えるひとづくり運動を構築し、まちの未来を創造する人財を共育します。

そう遠くない未来、この国の制度や仕組みは大きく変化することが予想されます。その中で大きな社会変化を乗り越え「明るい豊かな社会」を実現できる方法を見つけ出さねばなりません。「JCしかなかった時代」から「JCもある時代へ」そして「JCだけではない時代へ」、立場や分野を超えた連携で新たな価値を生み出すことが新たな時代の流れであり、これがまちに大きな利をもたらすチャンスと考えられます。先人の方々が築きあげたノウハウ・コンテンツをただ活用するだけではなく、今の時代に合った付加価値・一宮が誇る「まちのたから」を組み合わせ、我々がまちにより良い機会を提供することで、市民を巻き込んだ運動を展開してまいります。

行動で新たな価値が生まれる

私たち青年会議所メンバーは20歳~40歳の組織で構成されています。我々は丁度、上の世代と下の世代の境目にいてどちらとでも感覚を共有できる世代です。

私たち青年会議所の会員の多くは中小企業の経営に関わる青年経済人であり、学び舎としての役割を担う青年会議所として会員の資質向上は極めて重要なことであります。我々会員が地域における意識変革運動の先導者であるために、そして青年経済人として社業を発展させていくためにも周りの人々を惹きつけて引っ張っていく「リーダーシップ」を身に付ける必要があります。

青年会議所の目的の一つは指導力の啓発、いわゆるリーダーの育成です。リーダーとは多様性のある集団を同じベクトルに振り向かせ、組織の進むべき道を先頭に立って導く人であります。ひとはひとでしか磨かれないと言いますがリーダーはリーダーによって磨かれます。我々と同世代の若きリーダーは青年会議所に限らずそれぞれの分野において日本全国で多く活躍しています。我々は今一度リーダーシップとは何かを成長の機会として考えてみる必要があります。

そしてリーダーを育成するにはそこに共感し集うフォロワーの存在が重要でありフォロワーシップが発揮されることが不可欠です。フォロワーシップとはリーダーを支える側の立場であるメンバーとして単に受け身ではなく「主体的」「能動的」に組織での役割を考え、率先して行動を起こす力です。青年会議所は入会歴や役職は違えども、同じ会費を払って活動する平等な立場にあります。普段、会社の代表という立場の人でも青年会議所では一メンバーであり、改めて学べる機会でもあります。青年会議所には委員会がありそのリーダーは委員長でありそれを支えるのは委員会メンバーです。リーダーシップとフォロワーシップの相乗効果で強い組織を創ります。

国がSociety5.0の実現を目指すに伴い、これから訪れる情報化社会をバージョンアップした「超スマート社会」が訪れることで、地域の様々な課題を解決できるチャンスであると同時に、変化に伴って生み出される新たな価値には多くのビジネスチャンスが潜んでいます。私たち会員は一人の青年経済人として地域の社会問題を解決必要な考え方を学んで時代に即した解決策を模索し、ビジネスを通じて解決できる人財を育成してまいります。

新たな時代を迎えるにあたって変えるべきこと、守るべきもの

「拡大活動こそがJC運動そのものである。」拡大活動とはJCを知らない人にその魅力を伝え、意識を変えて同志になってもらうことです。「JCしかなかった時代」から「JCもある時代へ」そして「JCだけではない時代へ」、現在様々な素晴らしい活動をしている個人・他団体が増え、社会的価値観が大きく変化したこの時代に、JCに入会してもらい同志となってもらうために我々は「JCだけにしかない」その魅力をまだ見ぬ同志へ伝えていかなければなりません。しかしながらそれは容易なことではなく精神論で解決する問題ではありません。私たちがまちの発展と、会員企業の成長、

人々の生活の質向上を成し遂げる運動を行い、地域に根ざした草の根運動を続けることこそ組織への信頼獲得と会員の拡大につながります。2021年には創立70周年を迎えるにあたり強固な組織を築くために今後も会員の意識を向上し全員拡大活動を展開してまいります。

青年会議所は人生最後の学び舎と言われるように、自己成長を掴み取る場です。入会した会員は卒業までに様々な役職を経験することで豊富な実践経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動に展開していきます。その中で、新しく入会したメンバーの育成方法や一宮青年会議所のあり方、本当に伝えるべきものは何かを改めて考えていく必要があります。昨今の価値観の多様化にあるように入会してくるメンバーが青年会議所に求めるものも年々変化してきていると感じます。勿論、「明るい豊かな社会の実現」を目指す我々の運動に賛同してもらうことが大前提ではありますがそのためのアプローチ・手法を今だからこそ検証する必要があるのではないでしょうか。一宮青年会議所を引っ張る理事を中心にメンバー個々が新入会員に青年会議所活動の意義を伝え、一宮青年会議所の歴史や伝統を継承し、誇りある「ナンバー8」の自覚と責任を次の世代に伝えていく責任があります。私たちは会員間および家族間の交流をはじめ、姉妹JCである大邱江北青年会議所との国際交流など様々な交流の機会を持っています。異なる歴史や文化、価値観を持つ仲間との楽しい交流事業に触れながら相互理解を深め、切磋琢磨し強い絆で結ばれたメリハリを持った一体感のあるLOMの創造を目指してまいります。

時代に即した組織へと進化するために

私たちは2015年に公益社団法人格となり、着々と組織の足元を固めてまいりました。私たちは限られた予算を効率的に利用し、定款・諸規定を適時見直し、コンプライアンスの徹底された社会的信用のある組織として活動する魅力ある組織運営をしなければなりません。また、各委員会が事業や例会の効果や内容に集中できる環境を作るための理事会運営を行います。大切なことは「委員会でより良い発想を生み出すこと」、「全ての運動を検証して未来に引き継ぐこと」であり、2021年度には70周年という大きな節目を迎えるにあたり、一宮青年会議所として次代に向けた効率的で活力の生まれる組織づくりを目指します。

そして、どんなに内面的に大きな変革を行い、多くの予算を投じた公益性の高い事業を展開しても、その活動を伝播し市民に伝わらなければ何の意味もありません。私たちが頻繁に目にする報道機関には何があるのか、思い付く広告媒体は何があるでしょうか。例えば我々の生活にはもはや欠かすことができなくなったSNSの利用者の増加を見ても分かりますがマスメディアだけが情報の全てでは無くなりました。私たちが行っている運動や事業はその性質に合わせた発信方法を企画し、更に時流に乗ることができれば大いなる運動への展開も夢ではなくなります。たった一人の発信でもアイデアや内容によっては多くの人々の共感を呼び社会を動かすことができる時代になりま

した。一宮青年会議所が今まで築き上げたきた資源を最大限に利用すること、あらゆるツールを駆使した継続と頻度を重視した広報、受け手が必要とする、あるいは心の琴線に触れる情報を届けること、そして今まで以上に今までと違う結果が期待できる方法を仕掛けていかなければなりません。会員一人ひとりが発信元となり共感を呼ぶ現象を起こすことができればまちに大きなインパクトを与え、一宮青年会議所の活動が地域にとって、より一層価値のあるものへと押し上げていきます。

JCの魅力と可能性

青年会議所には出向という新たな出会いと成長の機会があります。日本青年会議所・東海地区協議会・愛知ブロック協議会への出向は他LOMのメンバーと出会うことができる最高の成長の機会です。自分自身がさらなる成長を望めば日本国内を飛び越え海外にも成長の機会が提供されています。各種大会への参加やセミナーの受講は、LOMの枠に囚われない新しい視点から物事を捉える事ができる貴重な機会です。一人の青年経済人としての正しい見解やビジネススキルを学ぶ場でもあり、自分自身や一宮青年会議所の新たな成長につながります。新しいことに挑戦することには勇気がいりますが、仲間を信じて「まずはやってみよう、参加してみよう」という会員に新たな一歩を踏み出すための背中を押してまいります。

組織の規律が確立し、JAYCEEとしての心構えを学び、行動と責任を理解した人財で溢れそれがまちに伝播した時に、私たちが目指す「明るい豊かな社会」の実現につながっていくでしょう。

結びに

追われてやるのは、義務・責任
追いかけてやれば、使命・夢

やることは同じでも考え方次第で苦労にも楽しみにもかえることができます。
「苦境」とは、自分が最も成長できる状況、乗り越えられない「苦境」は起こらない、「苦境」のない人生はありません。

そして「苦境」は悩み考えることによって行動を変革し人間的成長を図る場であります。
その結果、自分と同じような「苦境」に立たされた人々の役に立つことができるようになります。
つまり「苦境」は自分が社会に貢献するために自分に降りかかると考えることができます。
そしてそれを乗り越えた「苦境」の数はその人の社会貢献度を示します。
「だれかがいずれ変えてくれる」なんて言う人に限って現在の自分に責任を持っていません。生きるということは瞬間、瞬間に情熱をほとばしらせて現在に充実することです。過去にこだわり未来をごまかすなんて根性では本当の意味で「今」を生きることはできません。
平成の時代が安定の時代だったならば、令和の時代は変革の時代です。
このまま安定の時代を続けようとするならば予測通りの未来が来るでしょうし、どちらを選ぶのかも私たち次第です。しかし今ならまだ、より良くでできます、でもそのためには個人の努力だけではなく社会の変革が必要です。私たちの活動が伝播し、人々の考え方を変え、行動を変え、そして地域を変えていく。未来のことは誰にもわかりませんが、未来が誰に委ねられているいるかは明白です。私たち一人ひとりが変わり、行動することに未来の全ては委ねられているのです。
「令和」という新たな時代が幕を開けました、本年度はそれにふさわしい変革の年としましょう。社会に、そしてまちに良き変革を続けていくことが偉大なる先人の方々をはじめとする皆が夢見た「明るい豊かな社会」の実現につながっていくのだから。

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