所信
公益社団法人一宮青年会議所
2023 年度理事長
内田孝曉
【行動を起こす】
『意志あるところに道は開ける』
アメリカ合衆国16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。誰しも生きていれば必ず困難な場面にぶつかる時があります。その時に気持ちが折れて諦めてしまう人もいれば、決して諦めることなく立ち向かっていく人もいます。違いは考え方の差です。「無理だ」と思うのか「できる」と信じるのかそれだけのことなのです。だからこそ困難な場面でも踏ん張ることができます。どんなに困難な道でもそれをやり遂げる意志さえあれば必ず道は開けるという希望と勇気が湧いてきます。足を踏み出すことをためらう時、困難にぶつかり折れかけている時、この言葉を思い出し挑戦し続けます。
今、一宮青年会議所は改革期を迎えています。私たちがこのまま何も変わらなければ、組織はどんどん停滞・縮小し、この地域まちにおける存在感が低下し、ひいては創始の志である「明るい豊かな社会の実現」から遠のいてしまうのではないでしょうか。今こそ、私たちは行動を起こす時です。私たちは、『行動を起こす青年』として、地域社会の課題に正面から向き合い、地域の人びとを巻き込み、「持続可能な地域」を創らなければなりません。私たちの地域、一宮のため、そして私たちの一宮青年会議所のため、改革の能動者として挑戦を続けてまいります。
【次代につなぐ活気あるLOMの創造】
「拡大活動こそがJC運動そのものである。」40歳で卒業を迎える青年会議所の性質上、同じ志を持つ仲間を毎年増やしていかなければ組織はいずれ消失してしまいます。一方で仲間が増えれば地域へ与える影響力は今以上に大きくすることができます。私も含め多くの会員が青年会議所活動に共感をして入会したわけではなく、人それぞれ入会動機は様々であり、そこには入会を促してくれた諸先輩や会員がいて、こころ動かされたから入会に踏み切れます。しかし会員の拡大は容易なことではなく、気合と根性だけで解決する問題ではありません。だからこそ、一宮青年会議所の全会員が会員拡大の大切さを認識し、全会員で拡大活動を展開し、必ず会員拡大を成功させます。
青年会議所の使命には「青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」とあります。しかし、機会が与えられるだけでは活かせません。与えられた機会を最大限に活かすには、常に最善を求め、現状よりもより良い社会を創造することです。より良い変化をもたらす力、すなわち「運動を作ることができる力」を青年は持つ必要があります。青年として意義と目的を持ち、自信と希望に満ちた変化を起こすのです。そのために青年会議所活動の意義を伝えて新入会員の意識変革と育成を行い、さらに実行力を持った人財に育成します。また、青年会議所活動は 40 歳で卒業を迎える性質上、卒業生が築いてこられた一宮青年会議所の歴史と伝統を継承し、「ナンバー8」の自覚と責任を紡いで誇り高き会員の育成をします。
【リーダーへの路】
昨今の日本経済は新型コロナ感染症の影響があり、企業経営は決して楽なものではありません。今日行っている商いが未来永劫も安泰であるという保証はなく、現状維持の経営ではいずれ衰退していく可能性が高いと言えます。会社経営が明るい豊かな状況でなければ、明るい豊かな地域まちづくりに携わる活動はできません。青年会議所活動は社業やプライベートの時間を割いて行っています。その時間を有効に活用し自己成長へつなげ自己の成長が会社の成長へつながるようにフィードバックすることが大切です。
私たち青年会議所の会員の多くは、中小企業の経営に携わる青年経済人であり、会社を経営している立場の会員が多くおります。組織を運営していく中で組織を発展させるには周りの人びとを惹きつけ引っ張っていく「リーダーシップ」を身につける必要があります。この日本にはリーダーシップを発揮して組織を大きく飛躍されたリーダーがいます。その方々の組織論や経営論を学ぶことで私たち青年会議所会員も飛躍することができ、そして地域の人びとも飛躍できると確信しております。
また、「チャレンジスピリット」をもって新しい付加価値を創造することに挑戦して成功されたリーダーがいます。その方から無から有を作るチャレンジスピリットや戦略論を学ぶことで世間の荒波に負けることなく飛躍し続け、明るい豊かな社会の実現することができると確信しております。
【地域との協働によって持続可能な地域社会の発展に貢献する】
一宮市は市制100周年の節目そして中核都市へと移行してまいりました。市政は次の100年に向け未来を切り拓く2本の柱「デジタル」と「グリーン」を成長の原動力と捉え、様々な事業に取り組んでいきます。私たち青年会議所もふるさとである一宮市と共に持続可能な地域社会の発展に貢献する必要があります。
私は青年会議所に入会するまで自分や家族、仕事のことしか考えていませんでした。青年会議所活動を通じて初めて自分が関わっているまちの未来を意識するようになりました。まちとはそこに住む人びとの意識の集合体です。より良いまちになるためには、まちの人びとがまちに関心を持ち、一人でも多くの人びとを巻き込んだ事業を展開し、一宮市の方向性と調和を図ることで持続可能な地域社会を実現します。
また子供たちには明るく、たくましく、そして豊かなこころと広い視野を持つ大人へと成長を願います。しかし新型コロナウイルスの影響により一宮市や他団体・教育現場での人と触れ合う機会・新たな発見をする機会・子供たちが一つの目標に向かって行う行事などが中止になり、子供たちの本来の笑顔が失われているように感じております。だからこそ今の時代にあった方法で行政や市民団体と連携し、子供たちが明るく、豊かなこころと広い視野を持つ大人へ成長することができるように、そしてなによりもまちの人びとと共に活動することができる笑顔と活力に満ちた楽しい場を提供することで持続可能な地域社会を実現します。
【時代に即した組織改革】
私たちは2015年に公益社団法人格となってから、8年がたち、毎年着実に組織の足元を固め、予算を効率的に利用し、定款・諸規程を適時見直し、コンプライアンスの確立と維持のためにチェック機能を強化し、会員が自律的且つ主体的に規律を維持し社会的信用のある組織として活動する魅力ある組織運営を行ってまいりました。しかしながら、公益目的事業比率の維持だけに捉われて魅力のある事業ができなくなるのは本末転倒であります。今後もその社会的信用を継続的に得ていくためには形にとらわれず本質的なところを強化していかなければなりません。限られた予算を効率的に利用して魅力のある事業を行い、定款・諸規程を適時見直し、コンプライアンスを徹底して活動していくことで、『一宮青年会議所』としての社会的信用は必ず得られるはずです。信用ある組織として会員の自覚意識の向上を促すとともに、伝統と誇りある「ナンバー8」の名にふさわしい次代に向けた効率的で活力のある組織を実現します。
また、私たち会員がいつも疲れて暗い顔をしていては私たちの社会奉仕活動を成功させることはできないでしょう。笑顔と活力に溢れ固い絆で結ばれた人びとの集まりであればこそ、この組織に入会するでしょう。そしてそれはJC活動の価値を高め、明るい豊かなまちづくりの実現へとつながる好循環を生み出します。周囲の人びとも私たちの活動を応援してくれるはずであり、メリハリをもって楽しく活き活きとJC活動を展開します。
【ひととの出会いによってLOMから広がる世界の楽しさ】
日本全国そして世界中にネットワークを持つ青年会議所には同じ志を持って活動する仲間が何万人もいます。日本青年会議所・東海地区協議会・愛知ブロック協議会への出向や各種大会への参加やセミナーの受講はLOMの枠に囚われない新しい視点から物事を捉える事ができる貴重な機会であり、自分自身や一宮青年会議所の新たな成長につながります。新しいことに挑戦することは勇気がいりますが、まず行動することが成長への第一歩です。新たな一歩を踏み出すための背中を押すことにより、出向者一人ひとりが学びの機会を獲得し、行動と責任を理解した人財へと成長します。そして出向者の出向先での学びをLOMに還元し活かすことこそが、出向者の大きな担いに対するLOMからの最大の支援であるとして、出向者を支援してまいります。
また私たち一宮青年会議所は、長年にわたりこの地域まちの未来を想い活動を続けてまいりました。私たち会員が多くの時間とエネルギーを費やして素晴らしい活動を企画・実行したとしても、それが市民の方に速やかに正しく伝わらなければ、活動の効果は大きく減少してしまいます。私たちは明確な広報戦略を考え、今まで以上に広報活動に力をいれるべきです。様々な広報チャネルの中から効果的なものを選択し、できるだけわかりやすい言葉で、タイムリーに情報発信することで、一宮青年会議所の存在感と地域に対する発信力を高めます。
【結びに】
1951年、一宮青年会議所は、戦後の復興は若者の責務であるとして熱い情熱をもった青年経済人がその力を結集せんとして産声をあげました。そして、先人たちは2023年の今に至るまで様々な時代を越え、その時々の課題に果敢に挑戦し、この地域で「明るい豊かな社会」を実現するために活動してまいりました。私たちは諸先輩方が築いてこられた歴史や伝統、一宮青年会議所としてのDNAをしっかりと後世に伝えるためにも、誇り高き会員の育成に力を注ぐ必要があります。だからこそ、私たちは青年会議所の活動の中で修練を積み、共に活動する仲間との友情を深め、社会への奉仕の力を拡大していきます。
そして2023年、私たち公益社団法人一宮青年会議所は、会員一人ひとりが自ら成長し、追われてやる義務・責任ではなく、追いかけてやる使命・夢を行い、自分の家庭を、そして所属する会社を、住み暮らすこの地域を明るい豊かな社会に変えていくと信じて活動に邁進してまいります。